プロヴァンス名物・タプナード…本物のレシピは、ひとつだけ？

＜もっと知ると、もっと楽しい＞
〜フランスのすごい食品編 vol.49〜

タプナード…

なーんか、名前は聞いた事あるけど
何が入っているのかは、よく知らないし

食べたことがあるかもしれないけど
すごく美味しかった記憶もない、この食べ物

どうやら、
南フランス＝プロヴァンス地方の名物らしく
その歴史は2000年以上前に遡る…とのこと

そんな話を力説してくれるのは
パイセンの家（ブルゴーニュ）のお隣さんで
プロヴァンス出身のエマニュエルさん

どうやら、プロヴァンス出身の人たちは
このタプナードなるものに誇りを持っていて

アペリティフといえば、タプナード
タプナードといえば、アペリティフ

という勢いであります

冷蔵庫には、ホームメイドのタプナードが
常備されているっていうんで
各家庭に秘伝のレピシがあるのかと思いきや

タプナードには、
たったひとつのレシピしか、存在しないのよ

プロヴァンスの全て家庭が、
この本を見て、タプナードを作っているの

と、
差し出されたのは、挿絵なんて1枚もない
エラく硬派なレシピ本でして

初めて、実家を出る時に…
はたまた、お嫁に行く時に…

母から子へと贈られるのが、
こちらの黄色い本なんだとか…

この本のレシピ以外のタプナードは
偽物よ、偽物！

なんつって…

きっと、そんなことはないんでしょうけど
このズバッと言い切る感じ…
嫌いじゃないですぜ、エマニュエルさん

ちなみに、タプナードの語源は
プロヴァンス語の”タペーノ”から来ており
その意味はケッパー（↓）

この名前からも想像していただけるように
タプナードっていうのは

言ってしまえば、
ケッパー（とオリーブ）のペーストでして

この伝統的なレシピと、
エマさんに偽物呼ばわりされている
巷のレシピとでは、いったい何が違うのか？
と、言いますと、それは

・マグロのマリネを入れる（伝統レシピ）
・アンチョビを入れる（偽物レシピ）

てな具合になっており、

伝統的なレシピの方が、塩気は薄いのに
独特のコクがあって、確かに美味しいかも…

でも、
巷の公開レシピは圧倒的にアンチョビ派だし

なんなら、
有名な三ツ星シェフ達の公開レシピでも
（アラン・デュカスやポール・ボキューズ）

漏れなくアンチョビが採用されているのは
いったい、ぜんたい、何故なんでしょう？

うむぅ…
謎であります

それにしても…つい昨日まで、

なーんか、名前は聞いた事あるけど
何が入っているかは、よく知らないし

食べたことがあるかもしれないけど
すごく美味しかった記憶もない

とか、なんとか、言ってたクセに
すぐ隣りでエマさんが、

あー、タプナード、最高だわー

って、
ウットリしながら食べてるのを見てるうちに

なんだか、自分もすごく好きな気がしてくる
この、影響の受け易さ…

我ながら、チョロイものであります

*****
たった一度の人生なんだから
失敗したって思うがままに生きる方が
自分らしいと思ったのが、2019年の春

これから何が起こるかわかりませんが
転んでも前に倒れて、いつも上を向いて
パリの洗礼を沢山浴びながら
毎日を楽しみたいと思います

郷に入れば、郷に従え
この際、パリのことをトコトン好きに
なってみようと思います
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私も、早くパリが好きになれるといいなー
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