＜もっと知ると、もっと楽しい＞
〜フランスのすごい食品編 vol.29〜
そんな訳で…
バターの名産地のブルターニュのブランドは
どれもスター選手ばかりなんですが
その中でも、明らかに別格扱いされてるのは
”ボルディエ様”ではないでしょうか…
ちなみに、
ボルディエ様は、AOPではありません
それなのに、別格扱いされるのは何故か？
実は、このボルディエ様と言う御方、
もとはノルマンディーという地方の出身で
御歳64、バターメーカーの3代目…
その意味では、
根っからのバター狂だった訳なのですが
そんな彼は、29歳の時にブルターニュで
19世紀の古いバター作り機を発見します
で、異常なまでに好奇心旺盛だった彼は、
古い書物なんかをかき集めて、それを修復し
当時のバター製法を復活させちゃうんです
ちなみに、その製法…全てが手作業なので
普通であれば6時間で出来るところが
実に3日もかかる、超・非効率な製法でして
目覚ましい経済成長は落ち着きつつも
依然として好景気だったフランスにおいて
作れば作るほど儲かる…という世情の中で
彼は、
この非効率さが、堪らないんだ！
と、変態ぶりを発揮して、
この忘れ去られた製法に拘り続けたんですよ
他のバターメーカーたちは
当初、そんな彼を嘲笑していました
が、
この、職人気質の塊みたいなバターを
彼と同じように、食に対して強い拘りを持つ
3つ星レストランのシェフ達は絶賛し
次々と自分たちの店で使うようになった結果
世界のグルマン達の目に止まるようなり
バターの王様の座を掴んだ…というワケです
たまに彼のことを
フランス唯一のバター職人
と、呼んだりするのですが、
それは、
フランスの伝統手法を復活させたのも
それを守り抜いたのも彼だけだから…
なんだとか
この職人気質の情熱…
震えますな
そんな彼は、バターで一旗上げたのち
他の乳製品にもビジネスを拡大させており
裏の看板商品として名高いのが、コレ
この、リ・オ・レと呼ばれる
お米をミルクで甘く煮たデザートでして
元はイランの伝統的なデザートなんですが
フランスのビストロにもよく置いてあります
お米を甘くした上に、ミルクで煮詰めて
しまいには、オーブンに放り込むとは…
日本人的には、
いろんなタブーを犯している、
この不思議なデザート…
バターの神様、ボルディエ様の手に掛かると
果たして、どんな仕上がりになるのか
ドキドキしながら、パクリ…
むぅ…
普通であります…
このリ・オ・レ…
柔らかめ、芯がしっかり残っている固め、
ねっとり系からサラッと系まで
いろいろタイプもあるし好みもそれぞれ…
なんですが、個人的には
バニラビーンズが入ってないリ・オ・レは
リ・オ・レじゃないと思っているので
ここまで書いていてなんですが
皆さんに勧められるレベルではない感じです
やっぱり、餅は餅屋…
バター屋はバターにおいては最強でも
お菓子作りってことになると話は別なのかも
あー、美味しいリ・オ・レ、
いつか作れるようになりたいなぁ…
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たった一度の人生なんだから
失敗したって思うがままに生きる方が
自分らしいと思ったのが、2019年の春
これから何が起こるかわかりませんが
転んでも前に倒れて、いつも上を向いて
パリの洗礼を沢山浴びながら
毎日を楽しみたいと思います
郷に入れば、郷に従え
この際、パリのことをトコトン好きに
なってみようと思います
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