最高が正解だとは限らない…うちのシェフが放つ名言集・その１

＜お菓子作りには、哲学があった＞
〜リッツで修行・初級編 vol.09〜

ここ2日というもの…

帰ってきて、ご飯を食べたら
そのまま寝落ちする…という事が続いており

自分でも気がつかないうちに
だいぶ、お疲れちゃんだったんだなーと思う
今日この頃…

まぁ、冷静に考えてみれば

・朝から晩まで、ほぼ立ちっぱなし
・フランス語や英語を聞き取るのに必死
・重いものを持ち運ぶのが、それなりに大変
・繊細な作業は、超・集中しないといけない

っていう状態なんで、そりゃ疲れるわな、と

あー、週末、最高！
あー、朝寝坊、最高！

えー、さて…

最高…と言えば…

そんなヘトヘトの学校生活を送りながらも
リッツを選んで良かったな、と思う瞬間は
既に何度か訪れおりまして

その理由のひとつは、
最高のものとは何か？を知る事ができるから
であります

例えば、
先日、ご紹介したパティシエのクリーム…
日本でいうカスタードクリームなんかは

巷のレシピを見れば、大抵のものが
小麦粉のみ、又は小麦粉とコーンスターチを
使っているにもかかわらず

シェフのレシピは、一切、小麦粉を使わず
ポテトスターチだけを使っているので
不思議に思って聞いてみたところ

・小麦粉もコーンもポテトも、機能は一緒
・だから、基本的にはどれを使ってもいい
・ただし、香りの強さと値段が全然違う

・香りは、小麦粉＞コーン＞ポテトの順
・ポテトは完全・無味無臭である

・値段は、ポテト＞コーン＞小麦粉の順
・ポテトは小麦粉の10倍以上する

とのこと

だから、カスタードクリームが持つべき
バニラと卵の優しい香りを
どのレベルで残したいか、という事と

そのために、幾らかけるのか、という事の
バランスの中で使う粉は変わるんだとか

シェフ曰く、

だから、一般家庭向けのレシピは
手頃な小麦粉を使ったものが多いし

実は、プロのパティシエ達も
原価の観点で小麦粉を使う事が多いんだよ

なぜなら、
カスタードクリームに混ざる小麦粉の香りに
気が付く人も、それを気にする人も、
実際のところ、そんなに多くないからね

でも、リッツに来る人たちは違う

彼らは、舌が肥えているから
小麦粉の香りにも微妙に変わる口当たりにも
ちゃんと気が付くし、とても気にするんだ

だから僕は、カスタードクリームを作る時は
絶対に小麦粉を使わないんだよ

ですって

でもね
最高のものが、必ずしも正解とは限らない

僕の仕事は、最高のものとは何か？と
貴女に教えることだけど

どんな材料や方法があるのか？を知って
その中から、何が一番良いのかを考えて

最後にコレだ、と決めるは、
貴女の仕事なんだよ

とも

ぬおおおおー、
うちのシェフ、かっちょええ…

てか、私…

小麦粉入りのカスタードクリームと
そうじゃないカスタードクリーム…

味の違いで見分けられる自信なんて
1ミクロンもないんですけど
大丈夫でしょうか…

むー、

最高を知る道は、
まだまだ、長そうであります…

*****
たった一度の人生なんだから
失敗したって思うがままに生きる方が
自分らしいと思ったのが、2019年の春

これから何が起こるかわかりませんが
転んでも前に倒れて、いつも上を向いて
パリの洗礼を沢山浴びながら
毎日を楽しみたいと思います

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どうもありがとうございました

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