見た目を取るか、食感を取るか？マドレーヌ論争のリッツ的・回答

＜お菓子作りには、哲学があった＞
〜リッツで修行・初級編 vol.12〜

最近、不思議に思っていること…それは

料理人は、太っている人が非常に多いのに
パティシエは、太っている人が非常に少ない

ということ

少なくとも、リッツで働いている

総勢120名の料理チームは、
絵に描いたようなポッチャリさんばかり…

対する、総勢30名の製菓チームは
うちのシェフを筆頭にスレンダーさんばかり

なので、ちょっと失礼かな？と思いつつも
たまたま、朝、シェフが暇そうにしてたので
その理由を聞いてみたところ

料理は、都度、味見をしないとダメだからね

彼らは、生きている＋新鮮な材料を使うから
調味料の量を臨機応変に変えていくことで

如何に思い描いた味に近づけていけるかが
腕のミセドコロだと思うんだよね

でも、お菓子は、ちょっと違うと思わない？

僕らは、小麦粉や砂糖、ミルクや卵といった
不変、もしくは安定している材料を使うから

如何に精度高く方程式を成立させられるかが
問われていると思うんだよね

とのこと

だから、途中で味見することに意味はなくて
それよりも、グラム単位で正確に計量したり
温度計を使って、正確に温度を測定する事に
すごく意味があるんだよ

ま、どうせ焼いたら味は変わるしね（笑）

ですって

なるほどー！

朝っぱらから、非常に有り難いお話…
どうもありがとうございます！

えー、さてー…

今週は、勝手に”地味週間”ってことで
本日は、大量のマドレーヌを作ったんですが

こちらのマドレーヌというお菓子…

お菓子好きの間で”天使のへそ”と呼ばれる
ぽっこりとした膨らみがあることが
美しいマドレーヌの必須条件とされており

実は、このおへそを出そうとすればするほど
口当たりはどっしり、重くなるんですよ

逆に、ふんわり、軽い食感にしたいのなら
天使のへそは諦めないとならない…

と、まぁ、極端に言えば、
そういうトレードオフが発生するのですが

・見た目の美しさをとるのか？
・食感の心地よさをとるのか？

という、焼き菓子好きにしか分からない
ちょっとマニアックなマドレーヌ論争…

セレブが集うリッツ様的には、

見た目の美しさを追求することに振り切る

と、決めているんだそうで

生地を、これでもか！と混ぜまくり
（混ぜれば混ぜるほど、どっしりする）

その後、更に生地を寝かしまくり
（寝かせれば寝かせるほど、重くなる）

出来上がったマドレーヌが、コチラ（↓）

うむ、お見事…

もちろん、だからと言って
味を捨てているワケではないのですが

ここまで徹底して
見た目の麗しさを追求している姿は
本当に潔く、気持ちの良いものであります

こんな風に、確固たる自分の軸があると
どんな選択肢でも、迷わないんだろうなー

きっと…

*****
たった一度の人生なんだから
失敗したって思うがままに生きる方が
自分らしいと思ったのが、2019年の春

これから何が起こるかわかりませんが
転んでも前に倒れて、いつも上を向いて
パリの洗礼を沢山浴びながら
毎日を楽しみたいと思います

郷に入れば、郷に従え
この際、パリのことをトコトン好きに
なってみようと思います
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MICHI

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