＜お菓子作りには、哲学があった＞
〜リッツで修行・中級編 vol.01〜
全然、フランスとは関係ないんですが
今、韓国は年に一度のキムチシーズン！
らしくって
どの家庭でも、一年分のキムチを仕込む
一大イベントを迎えているんだそうで
せっかくだから、挑戦しようじゃないか…
と、みんなでアメリカ人の家に集まって
韓国人クラスメイト監修の下、
週末にキムチを作って参りましたぞ
まずは、煮干しで出汁をとって…
なんつって、出て来た”煮干し”に
一同、まぁまぁのインパクトを覚えつつ
白菜3玉に対して、
用意された唐辛子の粉・1kgを見て
スパイスと言えば、コショウくらいしか
使わないというギリシャ人は
その時点で、椅子から転げ落ちそうになり
同じく、マスタードくらいしか使わない
フランス人は、試食した一口目で
涙目になりながら、ギブアップ宣言をし
料理コース生としての意地をかけて
最後まで食らいついていったアメリカ人も
翌日、お尻が痛い、痛いと泣いていたのに
全然、大丈夫どころか
もう少し辛くてもいいかもしれない…と
思ってしまった自分の中に
アジア人の血が流れているのを
ヒシヒシと感じましたがな
えー、さて…
フランス菓子の歴史を語る上で
欠かせない人物は何人かおられますが
その中でも、
重要度・上位にランクインするのが
ジュリアン兄弟ではないでしょうか？
中でも有名なのは、三兄弟の次男にあたる
オーギュスト・ジュリアンという人で
フランスのケーキ屋さんのショーケースに
必ずといっていいほど並んでいる
スタメン・ケーキを幾つも創造した天才です
一番の代表作は、
こちらのサント・ノレというケーキでして
超・高級ブティックが軒を連ねる
サント・ノレ通りの名を冠するこのお菓子は
同時に、パン職人の守護聖人サント・ノレの
名前でもあることから、縁起が良いって事で
フランスでは特別なお祝いの場で
出されることが多かったりするんですよ
そんでもって、こやつ…
ミニシューのてっぺんに
キャラメルをコーティングするんですが
当然のことながら、
キャラメルで全体が覆われている方が
見た目的には美しい訳であります
が、
ががが、
そこには、取り扱い時、180度を超える
灼熱の液体に指が浸かる危険性もある訳で…
そんなリスクを冒してでも、
綺麗なコーティングを手に入れるか…？
そんな身体を張るようなことはせず
半分くらいのコーティングに甘んじるか…？
まさに、パティシエの卵としての
意地と誇りと度胸をかけた壮絶な葛藤が
心の中で生まれたり、生まれなかったり…
私の場合は、リスクをとって勇んで臨むも
初めの1〜2個で、早々に火傷を負い
3個目以降は、すっかり心が折れて
半分のコーティングに甘んじる…という
なんともカッチョ悪いプロセスを
既に2回ほど繰り返しております
でも、これ…
本当に、冗談抜きで
ヨダレが出るくらい熱い＋痛いんですよ
くすん…
菜箸とか、使っちゃダメなんかなー
*****
たった一度の人生なんだから
失敗したって思うがままに生きる方が
自分らしいと思ったのが、2019年の春
これから何が起こるかわかりませんが
転んでも前に倒れて、いつも上を向いて
パリの洗礼を沢山浴びながら
毎日を楽しみたいと思います
郷に入れば、郷に従え
この際、パリのことをトコトン好きに
なってみようと思います
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